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古書

 

女神の街には公国最大の国立図書館がある

そこに神話の原本がある

 

整然とした街並みに溶け込む

光から遮蔽された図書館

本を守るには最適の環境

こうして歴史も護られた

 

掏り替わる様に 刷り変わる記憶

明日も明後日も識らないから

記録が歴史を創った

誰も知らない... 過去も未来も──

 

 

空白の一日を境に 時代は変わった

結晶を繞る争いは 空白の後に鎮まった

その代わり誘拐事件は 空白の後に始まった

昨日今日の話ではなく ずっと前から始まっていた

 

空白の一日を境に 結晶は変わった

万全だった力は 揺らぎながら欠損した

その日から誘拐事件は 何者かによって始められた

宝石の民の宝石は 結晶と同じ力を持つと云う...

 

 

犯人は誰だ──?

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