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​幻想少女

~Lunatic Venus Op.7 “infinity”~

彼女は云う
「我々が黙視出来る物に価値は無い」と……

 

鏡を割って 虚像を消した
存在しない物でさえ 見える世界だ

 

水を浴びて 微睡みを殺した
私の存在を証明する為に

 

月光を遮って 星を堕とした
触れられない物は 全て偽物だ

 

然して私は 私でなくなった
私は彼女に成ったのだ

 

彼女は云う
「我々が黙視出来る物に価値は無い」と……

 

視えないものを探さなければ
私の価値を確かめなければ

 

何もかも見えてしまう 薄汚れた世界で
どうすれば生きていけるのだろうか

 

私は私の為に... 私は私の為に...

 

鏡を割って 虚像を消した
水を浴びて 微睡みを殺した
月光を遮って 星を堕とした
窓を開けて 飛び降りた──

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