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glasscherven

~Lunatic Venus Op.3 “poison”~

嘗て... 私にも夢が在った……

 

静かな森の奥 月を映した翠玉の湖の畔で

透明な翅を煌めかせて憩う 硝子の蝶

 

朝が来れば 何処かへ消えてしまうだろうから

追い掛けて 追い掛けて

月を追い越し 星を追い越し

それでも 捕まえられなかった

 

朝が来れば 背に蒼穹を映して

貴方は 何処かで微睡むのだろう

そして誰かに見付かれば 捕まってしまうのだろう

 

記憶を彷徨い探した 彼の日の面影...

私は知っている 貴方と云う夢

貴方は夢... 貴方は幻... 貴方は鏡... 貴方は楽園...

嘗て 私と同じか 私の一部だった存在……

 

静かな森の奥 星を浮かべた翠玉の湖の畔

小さな器で夢を視ている 硝子の蝶

 

明日が来れば 何処かへ消えてしまうだろうけど

追い掛けて 追い掛けて

路を失くし 光を失くしても

それでも 伸ばした手は届かなかった

 

明日が来れば 明日の痛みを刻んで

貴方は 何処かで嘲笑うのだろう

そして誰かが其の手で掴めば 割れてしまうのだろう

 

記憶を彷徨い探した 貴方の面影...

私は知っている 貴方と云う希望

貴方は蝶... 貴方は現... 貴方は空... 貴方は楽園...

過去に 私が忘れ去って 消し去った存在……

 

愛しい 貴方の綺麗な翅...

其の硝子を壊したのは……

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