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~Lunatic Venus Op.2 “Re:vival”~
終わりと始まりは、何時も背中合わせで僕の隣に居た。そんなことにも気付かないで、道無き途を走り続けた。
僕達の時代、時間は一方通行だった。その常識が覆される日まで、時間はあと僅か。でも、僕に残された時間は、もっと短い。
君達の時計は、僕のそれとは違う。その長い物語の中では、ひとりの人間の人生なんて一頁にも満たない様な、短くて薄っぺらくて、ちっぽけなものだろう。それでも……。それでも、憶えておいてほしい。
僕達は何度も何度も同じことを繰り返す。それなのに、ちっとも学習なんて出来ないんだ。時間は僕達のものではないし、僕達のものになる日は、来ない。全ては大いなる意志、調律された因果の下で動いているんだ。それに気付けない僕達は、何度も何度も失敗を繰り返してしまう。
全てを識り尽くし、手にしたと思ってはいけない。そんな日は絶対に来ないんだ。裸で生まれて裸で死ぬ。両手で必死に握りしめていたものでも、あの世へ持って逝くことは出来ないんだ。
だから、これだけは憶えておいてほしい。終わりも始まりも、本当は──。
だからこそ僕達は、何度でも生まれ、そして死ぬだろう。
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