夜空を映した紺碧の鏡...

潮風に揺れる水面の下に

漆黒に似た世界が広がる……

 

月は独りでは輝けない

何かを映す鏡だから...

 

月は独りでは輝けない

誰かの光を借りないと...

 

だから私は偽物の月...

宵に自ずと光り出す偽物...

 

光って 光って そうして誰かを引き寄せて

長い腕で絡めて 絡め捕らえて

抱き締めたら 殺してしまう……

 

私に触らないで……

 

私は深海の化け物...

宝石の様に煌めく不気味な...

 

ほんの僅かな力でも

この手が触れたら 殺してしまう……

 

私に触らないで……

 

私に触らないで……