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Saisons

 

~Lunatic Venus Op.2 “Re:vival”~

ふと見上げれば 青い空が広がり
薄い雲が風に流されていく...

 

ありふれた光景... 見慣れた景色...

 

ふと見下ろせば 名も知らぬ花が咲き
淡い蝶が宙に舞い上がっていく...

 

ありふれた光景... 懐かしい景色...

 

もう戻れない 彼の場所……

 

春は桜の雨を浴びて 夏は光のカーテンと踊る
秋は紅の空気を吸って 冬は氷の月と眠る

 

そんな当たり前の事... 当たり前の時間...

 

 

ふと見上げれば 星空が広がり
月明かりが薄雲を透かす...

 

ありふれた光景... 見慣れた景色...

 

ふと見渡せば 小川は澄み切り
蛍の光が宙で舞い踊っている...

 

ありふれた光景... 懐かしい景色...

 

もう還れない 彼の場所……

 

春は燕と野を駆けて 夏は蝉の声を聴く
秋は虫と共に歌って 冬は雪と共に眠る

 

そんな当たり前の事... 当たり前の日々...

 

そんな時間が 私の人生だった……

 

 

ふと目を醒ますと 灰色の箱が私を囲み
冷たい床を二つの影が這う

 

ありふれた光景... 私の見るべきもの...

 

ふと耳を澄ませば 貴方の後悔が広がり
愚かな涙では何も生み出せない

 

永遠の冬 醒めない悪夢
倦まれた季節 疎まれる人間

 

自らの終焉さえ 自ら決断出来ないのでは
私達は余りにも 憐れではないか……

 

「もう一度やり直したいのなら、もう、おしまいにしようよ……?」

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